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ホームページに掲載した
トピック記事の保管庫です。
その時ならではの記事もありますが、
繰り返し確認したい内容もある為
見ていただけるようにしています。
傷病猫紹介 〜萌ちゃん〜
メンバー宅の保護部屋で療養生活を送る猫、萌ちゃんのご紹介です。
6月8日は門脈シャントという病気を抱える、萌ちゃんの4歳の誕生日でした。
門脈シャントはだいたい3歳までに亡くなると言われています。手術ができてシャント血管がなくなり、本来の門脈が機能し始めれば長生きもできる、ということで一縷の希望を求めて造影MRIもしましたが、シャント血管がかなり奥深くにあり、アプローチができないばかりか肝臓そのものが萎縮、肝硬変が進んでいるということがわかり、手術療法は諦めざるを得ず、対症療法的な内科療法しか残されていませんでした。
萌ちゃんはその時すでに3歳。4歳の誕生日までは頑張って欲しい‼️と「めざせ4歳」をスローガンにみんなで応援、そして6月8日、4歳の誕生日を迎えました。
最近の検査結果はアンモニアの数値が500台とかなり高く、肝硬変も進んでいるということです。
萌ちゃん、4歳のお誕生日おめでとう❣️
よく頑張ってくれてると思います。
これからも1日1日が勝負です。
(2023年6月)
トピック
他所ごとではない!マダニ媒介感染症(SFTS)
にゃんたフェの猫も沢山お世話になっている動物病院で、ショッキングな事を聞きました。 神戶市内で飼われている猫がSFTSに罹った、というのです。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はマダニが媒介するウイルスにより発症する病気で、マダニに噛まれることで人も犬猫も感染する、人獣共通感染症です。現在この感染症に対する特効薬は無く、人が感染した場合でも致死率は30%と極めて高い病気ですが、猫が感染した場合は、最新のデータでは致死率60〜70%だというのです。この動物病院で感染が確認された猫も、残念ながら亡くなってしまいました。
そして恐ろしいことに、このウイルスはマダニからの感染だけでなく、人から人への感染、 更に猫から人への感染が確認されています。動物病院で猫から獣医療関係者への感染も報告されていますし、2017年には野良猫を保護する際に噛まれた50代の方がSFTSで亡くなったと思われる例も報告されています。猫の排泄物や分泌物からの感染を疑う例も報告されているようです。
これまで感染の報告は九州、中国、四国地方がほとんどでした。マダニ媒介感染症の名前をすでにご存知の方の中にも、あまり自分の住む地域には関係ないかなと思われていた方も多いのではないでしょうか。私たちにゃんたフェKOBEのメンバーも、そこまで危機感を持っていませんでした。それだけに、同じ市内、しかも市街地にある病院に通院するような猫さんが感染し亡くなったという事に驚きました。しかし実際、年々分布は広がっており、2024年4月末時点で関東地方でもSFTS発症の届けが出ています。もはや他所ごとではないのです。
対策は、まず当たり前ですがマダニに噛まれない事です。猫ちゃんの飼い主様においては、今一度飼い猫を外に出すことの危険性についてお考えいただきたいと思います。そして人間も、肌を露出した状態で草むらや藪に近寄ることを避けるなど、自身がマダニに噛まれない注意も必要です。 マダニに噛まれてもすぐに気づかないことも多く、もし人間がマダニを家に持ち込むようなことがあったら、たとえ猫を外に出していなくても、SFTSに感染させるリスクがあることを考えると、完全室内飼いにするだけでは対策は不十分です。SFTSからしっかり猫を守るには、スポット駆虫薬等の使用が必要です。外作業の多い方や、出入りの多い環境で猫と暮らしている方は特に、猫へのスポット駆虫薬の使用をご検討いただいた方がいいかもしれません。 にゃんたフェでは、外で過酷な暮らしをしている猫たちを、傷病の治療のために保護したり、 里親探しを行ったりしています。猫たちは他の感染症の可能性も考え、これまでも保護後2週間の隔離期間をとり、駆虫薬も使用してきました。SFTSの潜伏期間も2週間程度と言われています。SFTSの症状でもある発熱、ぐったりしている、下痢などの症状には、これまで以上に注意をし、万が一にもメンバーが感染しないよう、対策も考えていきます。
とにかく、猫にとっても人にとっても致死率の高い感染症です。他所ごとと思わず、出来るだけの対策を考えなければならないでしょう。
(監修:兵庫ペット医療センター東灘病院)